この度日本盆栽作家協会では、今後の盆栽作風に生かすべく、台湾真柏の巨木群生地玉山国家公園の見学会を催した。2018年8月27日、早朝5時30分に春花園(東京都江戸川区)に集合。参加者は、山田登美男、小林國雄、松田大実、今井千春、吹田勇雄、秋山実、福舘治、神康文、養田昂之、山地孝政、通訳:島村静の合計11名。成田空港から一路、台湾桃園国際空港に12時30分着。2台の車で移動。世界的に真柏の木作りで有名な鄭誠恭大師氏の盆栽園を訪問、挿し木から60年位でここまで成長する台湾真柏、もちろん日本の葉性と性質と違い成長早いのはわかるが、それにしてもすごいと思う。鄭先生とそのお弟子さんの周さんも明日一緒に玉山に登ります。夕食後、玉山国家公園の一部、阿里山の宿に到着。10時30分就寝。
8月28日、高齢組3名は阿里山観光へ、私たちは目的地玉山に向けて登山口に移動。9時30分、登山口から登山ガイドの郭さんを先頭に出発。
8.5Km先の山小屋(排雲山荘)を目指す。登山道は整備されていて歩きやすいゆるやかな登り坂が続く。
深い森は米栂の大木が続く。
しばらく行くと巨木が出現、太さに圧倒される。
危険な崖
を通りすぎると大きな一枚岩、幅300m 高さ150m、
岩の上部に真柏がようやくお目にかかれた。
排雲山荘まではあと一息。
雨の中、山並みを望みながら山荘に到着、4時30分 8.5Kmの道のりで7時間かかった。6時夕食 、
少し休息して皆んな余裕ありそう。8時就寝。翌朝2時起床。悪天候の為、御来光は断念したものの、真柏は見たい。雨風の中、一行は5時30分出発。川と化した登山道をを進むこと30分、
真柏の森になった。
みんな目の色が変わった。初めて見た真柏の群生地、感動の一言、自然に捻転した様は芸術品。
上に登る程、木は小さくなり人の背丈ほどになる。
標高3500mを超えると植物は生えていない、後 500m登ると山頂と聞き、みんなの意見が一致。登ろうと、だがその道のりは過酷だった。断崖絶壁をチェーンに捕まりながら登らなくてはならない。
30分程登ると山頂が見えた。
やっとの事で玉山主峰登頂。標高3952m。気温はなんと1度。
登山初心者のみんなが過酷な条件の中よく登頂できたと思う。山頂は酸素が薄く、福舘君と私は軽い酸欠になった為、ゆっくりと下山開始。天然真柏を見ながらの下山は又格別なものになった。各自脳裏に焼き付けたことと思う。11時山小屋で麺食を食べて8.5Kmの道のりを帰らなければならない。
4時登山口に到着。下りは早い。5時間だった。ここから宿泊ホテルに向かう車で2時間走る。途中、食事、まさかのタイ料理、ガイドの親分の郭さんがごちそうしてくれた。なんとも言えない味だったがグリーンカレーが冷えた体を温めてくれた。
翌朝、6時30分、高齢組と合流して、国立故宮博物館へ有名な翡翠の白菜や古陶磁器を見学後、台北の世界的に有名な梁悦美教授のお宅を訪問。最近開園された盆栽文物藝術館(柴園)は盆栽だけでなく古陶磁器や象牙の工芸品や珊瑚、歴史的な調度品など数多く展示されていた。気さくな人柄は皆から愛されているのが分かる。帰路は6時25分台北松山空港から東京・羽田空港へ。 (完)